せきららキララ

木ノ子が生い立ちとか色々と自分語りするだけのブログ

足の隙間の赤色

生い立ち系の話はちょっと置いといて…と言おうとしましたが絶対何かしらのエピソードは書きます。今回は「女」という性についてのお話。脈絡がない展開になりそな予感…


セクシャリティに関係あるのかは分かりませんが、私は「女」ということについ意識が向いてしまうことが多々あります。
歌手で言えば昔はアーバンギャルドとか倉橋ヨエコさんをよく聴いてたし、今は吉澤嘉代子さんにハマってます。この方々の描く「少女」や「女性」のもどかしさであったり情念であったり宿命であったりするものになぜか惹かれる。吉澤嘉代子さんのニューアルバム「女優姉妹」はまさに「女の性(せい)と性(さが)」をテーマに作られており、どストライクです。
映画でいえば「リズと青い鳥」や「少女邂逅」なんかの少女2人の距離や危うさが大好物ですね。

吉澤嘉代子さんの「女優」MVを撮影したのが「少女邂逅」の監督である枝優花さんなのですが、そのおふたり+MVに出演されている小川紗良さんの鼎談がとても良いです。装苑オンラインより。
soen.tokyo

ホモ・サピエンスの雌」という女性そのものやそれらの関係性の物語ではなく、フェミニンなレースやフリル、リボンのついたお洋服といった「女の子のアイテム」も好きです。クラシックロリータとか、いいよね…。昔はアクシーズファムの服をよく着てました。しかしながら最近は、そんなの似合ってないとか年齢考えろとかの言葉が頭をよぎる呪いにかかってしまい、お店に入るのもためらってしまいます。

前~にTwitterにも書いたのですが、おそらく本邦では特に「少女」への価値の置かれ方が凄まじくて、自分が少女でなくなったときの喪失感が半端なかったんですよね。自分が搾りかすになったみたいで。
巷に溢れる漫画や小説も、高校生以下が主人公のものが多い。中高で創作をしていた私が大学生になって突然筆が進まなくなったのは、その喪失感、疎外感、あるいは「もう空想なんてする暇はなくて、自分は物語の主人公でも特別な存在でもなくて、現実を生きなければいけない」という諦めからかもしれないなと思うなどしました。少女が階段を上って女性になるのは、見える世界が変わるだけで世界が広くなる訳ではない気がする。少女の世界の喪失です。



そしてそれとはまた別軸で、幼い頃から自分が「女」であることを否応なしに突きつけられるというか、「女」の枠にあることを押し付けられるシーンも多々ありますよね。ありました。そしてそれは大抵ネガティブ。

女の宿命といえば月経でしょう。
私の初潮は小5の夏のある日、幼馴染の男の子とポケモン映画を観に行く約束をした前夜に何だかお腹がすごく痛くて、お腹というよりは足の間のあたりがいつもと違う感じがして、翌朝下着が血染めだった…ということを今でも覚えています。映画観ながらも腹痛がずっと続いて、これが一生毎月続くのかと絶望しましたね。今でもまじでやめてほしい。群れを作る動物じゃないんだから、もう周期排卵性じゃなくて猫やウサギみたいな交尾排卵性に進化しようぜ。
昔お付き合いしてた男性に「生理痛がしんどい」って言ったら「それって男が射精して気持ちいいって言うのと同じやろ?口に出すもんちゃうで」と言われたときにははらわた煮えくりかえったよ。。。
あと、小学校の野外活動の少し前に男女分けられて女子だけでビデオ見たとき、生理が来るのは健康の証!子どもが産めるようになったんだよ!おめでたいね!と言われたのも何とも言えない気持ち悪さがあったなあ。


…と、体のことはそれぐらいで、文化のうえで「女」であることでネガティブな感情になったことの方が多いかな。
※冒頭で生い立ちの話は置いとくといいながら、ここから自分語りスプラッシュします。ごめんね。


小6のとき児童会長をやっていたのですが、私の小学校は運動会の入場行進で児童会長が校旗を持って先頭を歩くという文化があったんですね。今年は自分か~、と思っていたら先生が「木ノ子さんは女の子だから今年は副会長の○○くんにしよう」と言い出して。他の先生も「今までは児童会長って男の子しかいなかったもんね」と。
校旗が重くて女子の筋肉だと持てない、とかの理由なら分かります。が、小学生はそこまでの性差はないし、そもそも発育が早かった私は副会長の男子よりだいぶ体格が大きいのでそこは問題ないはず。「私、体大きいし力もありますよ」と言うと先生は「女の子が持つと格好がつかないから」。格好がつかないって何さ?このあたりからもやもやし始めます。

中学からは、いじめについての記事( https://kinoko-konohanadou.hatenablog.com/entry/2018/11/03/224824 )にも書いたとおり「女なのにずっとテスト1位なんて気持ち悪い」と何度か言われました。小学校の頃の先生とは違い発言者は同級生の男子なので、場合によっては「嫌ならあんたが1位取れば?」なんて言い返したこともありました。だから攻撃されるんですけど。でも気持ち悪いって何さ?
しかもそれとは逆に、成績優秀者が学校代表としてアメリカにホームステイできるみたいな制度があったのに、先生が選んだのは私じゃなくて2位や3位をとってた男の子だった、なんてこともあったな。これは私より母がキレ散らかしてた。母も成績優秀だったのに親(私の祖父母)に「通える範囲の公立大学しかダメ」とか言われてた立場だから、男はいいけど女はダメ、みたいな案件に敏感なんです。

高校はむしろ中学までの諸々(上記の2 事案+暴力による男性不信)で私自身の考え方が「男はどうせ○○って思ってるんでしょ?」みたいに凝り固まっていて、窘められることが多かったかもしれない。

大学…というよりは大学院に在籍していたとき、同じ研究室の学部生の女の子が男性教授のパワハラまがいの言動に逆ギレしたあと、教授が私に愚痴ってきた発言に絶句したことがあるな。
「はぁ、やっぱ研究室に女の子がいるとしんどいわ。僕男子校出身やから男だらけの方が気が楽やし、男やったらいくらでも無茶ぶりできるやん?女の子はすぐハラスメントって言うからたまったもんやないわ」
いやいやそれ男女ともに超失礼だから!てかあんたの目の前に女の子(私)いるから!と言いたいのをぐっと我慢し「○○ちゃんが女の子だから先生に怒った訳ではないと思いますよ。○○ちゃん個人と先生個人の問題では?」と言っておいたけど、最近後輩に聞いたところどうやら特に改善の兆しはない模様。

就活対策で「面接官は大抵おじさんだから女子は面接のときスカート穿いてくとウケがいい」みたいなの見たときは吐き気がしたな。でも穿いてしまったよスカート…つまらん理由で落とされたくないもん…めっちゃ落とされたけど…

今の会社は比較的創業が新しいのであまり「女」を押し付けられることはないのですが、昔とある案件で別会社のおっさんと仕事した際に「木ノ子さんは女性だから、担当部分を軽めのものにしといたから。ハイスペックPCの在庫少ないし、軽めの担当の木ノ子さんはこのノーパソ使ってね」と言われたときに久々にウッとなった。同じ案件に入ってるそこの同期の男子より私の方が職位がふたつ上なんですが!あんま言いたくないけど学歴も格段に上なんですが!女だから軽めって何さ?素直に喜べない。


まあこれは裏を返すと、男性も同じような押し付けを受けてるということなんでしょうね。
私がテストで学年1位を取り続けてる間に「男なのに女の子に負けてみっともない」と言われていた子がいたかもしれない。細身の従兄に対して祖父母は「男なんだからもっと食べなきゃ」と本人の意思を無視して大盛りにしていた。他にも、有無を言わさず力仕事に駆り出される、(女性を対象とした)エロトークについていけないと異端児、お金や筋肉がないと男からも女からも下に見られる、みたいな。


…という「らしさ」の話は、最近私がよく見ている「性トーク動画上げ集団」性性堂堂さんの(特にXジェンダーについての)動画でしばしば言及されており、「それなオブザイヤー」となっています。

こちらの動画の場合は2:29あたりから。
youtu.be


この動画でも全体的に言及されてますね。
youtu.be

こちらの動画の終盤(4:46あたりからの、MtFのゆういさんの発言から始まる一連の流れ)でも言われてます。
youtu.be
※こっちはかなり直球な単語も出てきます!



…着地点がずいぶんズレたような気がしなくもないけど、結論としては、自分で「らしさ」を好むのはいいけど、他人に干渉してはいけないね。
「俺デブだからさ~w」と自分でネタにするのと他人が「おいデブ!」って言うのは違う、みたいな。


という訳で、私はこれからも「女」に意識を向けつつも、「女」の宿命である月経が来るたびに痛さとめんどくささとその他諸々で落ち込むし、いわゆる「女らしさ」を押し付けられたらキレ散らかしながら生きていきます。変わる必要はないかな。という語りでした、ちゃんちゃん。