せきららキララ

木ノ子が生い立ちとか色々と自分語りするだけのブログ

啓蟄の気配

二十四節気、全部は覚えられない。

……という訳でお久しゅう。冬眠明けの虫ことわたくしです。


今回のテーマは「牧村朝子(まきむぅ)氏の『百合のリアル』を読んでボロ泣きしたので色々語るための記事を書いてみた件(ラノベタイトル風味)」。


百合のリアル (星海社新書)

百合のリアル (星海社新書)


まずはレビューというか本の紹介的なものを。Amazonに書け?うるせー知らねーファイナルファンタジー



口コミをほぼ見ずに通販で買ったのでエッセイかと思っていましたが、エッセイ部分(まきむぅからの手紙)とストーリー部分(5人の登場人物の対話と一部漫画)に分かれています。ました。
ストーリー部分はいわゆるノンケ、つまりシスジェンダー・へテロセクシャルである「マジョリティ」の登場人物と、そうではない「マイノリティ」の登場人物が出てくるので、マジョリティ側の人にも読みやすいはず。
また、タイトルにでかでかと「LGBT」「セクシャルマイノリティ」といった単語が使われてないし、文中の漢字には一部ふりがなもついているので、中高生……なんなら小学校高学年ぐらいの子も手に取りやすいのかなと。

とはいえ決してターゲット層が子どもや若者に限定されている訳ではなく、特にジェンダーセクシャリティ初学者の足掛かりとしては非常に有益なのではないでしょうか。あとは自分のセクシャリティに悩んでいる人、悩んでいた経験のある人。これは年齢問わず。

タイトルに「百合」とあるのでゲイやトランスジェンダーアセクシャルなんかの話は含まれないのかな?と思いきやちゃんと記載されていますし、ちょっとネタバレにはなりますがストーリー部分には「ノンオペMtFレズビアン」の登場人物もいます。また、ヘテロノーマティビティ(異性愛規範)やセクシズム等の偏見についての言及もあり、このあたりは特に「若くない世代」のノンケの方々にも……読んでほしいな……なんて。


私はトランスジェンダーではないのですが、シスジェンダートランスジェンダーXジェンダーの解説に「体の性別が~~、心の性別が~~」ではなく「他者から認識される性別が~~、自分で認識している性別が~~」と書いてあったり、そもそも何をもって「男」あるいは「女」と断定するのか?というところまで言及されており、隅々まで配慮が行き渡っている……というか「雑」な部分がないな、と感じました。




さて、ここからは「まきむぅからの手紙」パートに対する個人的な感想。


……の前に少し私の話をしておきますと、実のところ小6で女の子を好きになったとき罪悪感や違和感はなかったんですね。セーラーウラヌスネプチューンであったり、大道寺知世木之本桜であったり、親友以上の関係の女の子たちをフィクションで見てきたので。
でもその後「レズビアン」という言葉を知って、私これじゃね?えっ普通じゃないんだ……となったときの動揺や、隠さなければという強迫観念といったものが生じた時期もあったので、牧村さんご自身についての上記と同様の描写を読んで「あーーーー!!!!それ私もそうだったわーーーーー!!!!!」と悶絶ないし号泣しました。

「ぶっちゃけ半年前ぐらいからセクシャルフルイディティ自称してるけど、本当に私はこの分類でいいのか?パンセクとか"バイ寄りのビアン"とかではないのか?誰か診断して!」とか、「もう分類とかどうでもええわ……けど自分のポジション言えないと、界隈で"自己紹介"しづらいかな……」とか長年悩んできたのですが、「自分で選び取ったのはアイデンティティ、他者から当てはめられたのはカテゴリ」という言葉に背中を押された気がします。こういうの最近は「エンパワメント」って言うのかな。これからは堂々とセクシャルフルイディティ名乗ろう。そして解説して「こういうやつもおるんやで」と広めよう。





そして、去る2/24(日)に「百合のリアル」発売6周年記念トークイベントに参加してきました。

こちらは、本の内容についてのトークというよりは「本を作るまで」の色々なお話。
著者である牧村さんと、企画・構成・作画の小池みきさん、編集の今井雄紀さんによる鼎談と質疑応答という形式でした。
実際に本を出版したいという方が持参した企画書を配布していただき、それを見つつ小池さんや今井さんがアドバイスするといった貴重な機会も。
(あまり細かいことをレポするとせっかくお金を払っていらした皆様に悪いので、大雑把なことしか言えませんが……)




ここからは個人的な話。

上記の質疑応答のコーナーで「今後、校正・校閲の仕事をしてみたいと考えているがどうすればいいか」と質問したところ、未経験者採用を行っている企業さんのご紹介いただいたうえ、校正・校閲のお仕事内容についてもご教示いただきました。
以下、ちょろっとまとめ。


・初心者が担当するのはたいてい書籍ではなくチラシ。

・仕事のうち誤字脱字や文法のチェックは半分ぐらいで、残りの半分は"事実確認"。
例えば「移民の流入が~~~である。」という文に対して、"流入"という単語を使うべき文脈なのか、"である"と断定してしまっていいのか、みたいな。単純な間違い探しではなく頭脳労働も多い。

・趣味が登山です!みたいな人であっても肩や腰にくる肉体労働でもある。椅子が商売道具というやつか……

・読んでるうちに本に入り込んでしまう人はあまり向いていない。

・(当然ながら)在宅で仕事して生活できるレベルの報酬をもらうにはそれなりの実質が必要。



……好きなことよりも、向いてる(かもしれない)ことを仕事にしたら楽に生きられるのかな、と思っていたのですが、まあ苦労せずに食べていけるような楽な仕事なんてものはなさそうですよね。。。

でもなー復職してから転職活動できる余裕なさそうな気がするし、仮に復職した場合どこの部門で働くことになるのか分かんないし(弊社は休職後に元の部署には戻れない)。
ぶっちゃけ休職もね、その期間中通院の都度会社に連絡入れたり、各種書類を記入して役所や会社に提出したり、完全に解放されて療養(あるいは自分探し)に専念できた訳ではないのよね。

一応母からはしぶしぶ「貯金が100万円切るまでは好きにしていい」と承諾されたものの、ちょいちょい「3月過ぎると採用してくれる企業減るから早めに行動!」「とりあえず転職サイトに登録だけでもしてみたら?」とか言われたり。
……個人情報の入力がだるいとかメール爆撃されるのがうざいとかもそうなんだけど、「職務経験」や「スキル」欄を見て「私、"無"だ……」って絶望するのが鬱に拍車をかけるので嫌なんじゃ~!

そして医師に先日「あんま復職したくないんすよね~」と言ったら「そうだったんですか!初耳です」と言われてしまった、、、前に言ったつもりでいたけど、、、




……という感じで、読書できる余裕ができたりイベントに参加して耳寄りな情報を得たりはしたものの、休職の期限が月末に迫ってるので焦りを感じているわたくし。
ウオアアアアーーーーッ!!!!!!!!\( 'ω')/