大石林山に連れてって
「紬は何に生まれ変わりたいの?」
「……きちんとした人間。」
(映画「少女邂逅」より抜粋)
* * * * * *
枝優花監督作の長編映画「少女邂逅」をご覧になった方は冒頭の抜粋部分と併せてご存知かと思われますが、そうでない方に説明しますと、タイトルは「だいせきりんざん」と読む沖縄にある奇岩巨石地帯です。パワースポットと呼ばれているとか。
劇中で、主人公ミユリと紬はここに行こうと約束しますが……
是非とも観ていただきたい作品のひとつです。円盤ももうすぐ出ます。
【Amazon.co.jp限定】少女邂逅 Blu-ray(監督・枝優花 完全監修パッケージ仕様)(『少女邂逅』オリジナルコースター付き)
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2019/01/16
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
はい、今回の記事のテーマは沖縄でもスピリチュアルでも少女邂逅でもなく「きちんとした人間」について。
世の中、「きちんとした人間」を前提としすぎじゃないですか?
もう少し詳しく言うと、「健康で五体満足である程度の教養のある成人、かつパートナーなり家族なり頼れる人がいる」ことを前提として動いてる仕組みが多いというか……
現在絶賛メンヘラモードで会社を長期欠勤しているのですが、その手続きが煩雑すぎる。役所に各種申請すんのも然り。順番を間違えるとアウトとかね。こっちは精神病んでんのにそんな長い文章読めるかい。
さっき会社から送られてきた書類の医師記入欄を書いてもらおうと思って持ってったら「これ本当はまず会社と相談してここの欄を埋めてからでないとだめなんですよ~ちょっと人事の人に確認してからにしてもらえます?」って突き返されてしまったよ。。。
他の書類を埋めようとしても集中力がドン底なせいで誤記だらけやわ。もっと言うと両手複雑骨折してる人とかどないすんねん。
「そういう場合は健康なおうちの人が書いてくれるだろう」とでも思ってるんですかね?
しかしながら「役所での手続きの方法や仕組みを義務教育で教えるべきだ!」とは思わないんですよ。だってみんな中学で習った内容なんてほとんど覚えてないでしょ。
「歴史の年号みたいなのは無理だけど実生活に役に立つ内容だったら覚える」とか抜かす人は、保健体育や家庭科の授業の内容をさぞかし完璧に覚えてるんでしょうなあ。避妊成功率100%、性病罹患率0%、国民全員が基本的な調理法を身に付けている?んなこたあない。
しかも高齢者になったら授業内容の記憶どころではない認知症とかも始まってくる可能性もある訳で。若年性アルツハイマーも同じく。
支援が必要になった人に対して簡単かつスピーディーにサポートできる体制が必要なのに、「こういった制度を悪用する人がいるかもしれないから」と性悪説を唱えて厳密化・煩雑化したせいで結局支援を受けられない人が出てくるのは本当に悲しいことなんですよね。
あと、その「サポート対象」の境界付近の人がめちゃくちゃ苦しいとかね。
ただ、救急車のコンビニ受診とか、悪用する人が出たせいでほんまに緊急を要する人まで助けを回せなかったという事態が出てきているのも事実ではあるんですが……。
いつ誰が 「健康で五体満足である程度の教養のある成人」でなくなるかなんて分からないし、「パートナーなり家族なり頼れる人がいる」 訳じゃない人なんてごろごろいる訳ですよ。
後者を救うものとして、同性間だけでなく異性間も含むパートナーシップ制度が千葉市で始まりましたけども。
やや話は飛びますが、先日のZOZO前澤氏の100万円ばらまき企画に対して色んな意見が出てますね。
twitter.com前澤社長の企画、夢も希望もあるキラキラしたアカウントが当選して意識高い高いしてるのをみると、逆に夢がない。母子家庭で母親がスナックで働いてて、母親の彼氏が数ヶ月おきに変わってて、かろうじて暴力は無いけれど自宅には居場所がなくて、いつも図書館で時間を潰してる女の子に当選してほしい。
— tonkotutarou (@tonkotu0621) 2019年1月8日
twitter.comそういう女の子に100万円が当たっても、現実ではトラブルになると思う。でも、画面のひび割れた型落ちのiphoneを見ていて、流れてきたツイートを何気なしにRTしたら女の子にDMが来てしまう。そういう現実の延長戦からやってくる救いが誰かに訪れたと考えるだけで、僕はとても救われた気持ちになる。
— tonkotutarou (@tonkotu0621) 2019年1月8日
twitter.com前澤社長はおそらく、暗い事情を背負って忍の字で頑張る人よりも、夢に向かって目を輝かせて頑張る人のほうがお好みだと思います。普段のインタビューから察するに。別に誰が当選しても喜ばしいことですが、財力のある人の好みで振り回される予感だけで疲れちゃいます(*’ω`*)ゞ
— 星の子💫 (@idliketogohome) 2019年1月8日
twitter.comエプソンの元社長中村恒也さん(クオーツ腕時計の開発に尽力したらしい)が亡くなったという新聞記事を読んでいたら,「私財1億円を投じて,工学部系の大学に進学する学生向けの給付型奨学金を設立した」と書いてあって,いろいろな1億円の配り方があるなぁと思いました。
— えすえすマフラー作戰 (@ssmufler) 2019年1月8日
twitter.com田端氏は、「所得の再分配」や「富の再分配を金持ちから貧乏にんへのお恵みや施しと勘違いしている。庶民をバカにするのもいい加減にしろ。単なる利益還元セールとCI戦略の一環であるイメージCMに過ぎないものを、何が再分配だ。 https://t.co/2ADnPv9lGV
— S_Shimizu (@cao58020) 2019年1月6日
めちゃくちゃお金のある人がそこそこお金を持っててかつ夢のある人にお金を渡して経済を回す、それも大事ではあるのですが、結局のとこらある程度以上の階層でぐるぐるしてるだけになっとるんちゃうか?とも思うんですよね。
そこで、
twitter.com今回のキャンペーン見てて実感。
— 橘みつ@レズ風俗リリーヴ (@mitsu_lesbian) 2019年1月8日
既に夢を持っている人に支援をするのが、お金持ちのすること。
目の前の生活さえも繋げない人の足元を支えるのは、行政のすること。
どちらでもない私のすることは、あなたの「まだ頑張れるかも」というきっかけを作ること。
生きてこね。 https://t.co/gDUdOdqOYR
twitter.com世の中が面白くなりそうなことの発明は、お金と人脈のある人たちに任せるとして。
— 橘みつ@レズ風俗リリーヴ (@mitsu_lesbian) 2019年1月8日
私は世の中を面白がれる人を増やしたいよ。
面白い・楽しいと思うには、面白さをキャッチできるぐらいの心理的ゆとりが必要だからさ〜〜〜
今年も早速お世話になりました橘みつさんのこれらのツイートが真理なのかなあと。
私は幸い高給取り時代にコツコツ貯めたお金がそこそこあるので、数ヶ月は諸々の手当金なしでも生きられるっちゃ生きられるんですが、だいたい修士課程あたりから少しずつ日常の何やかんやに心がスポイルされていった結果として、かつて好きだった色んなものを楽しめない状態が続いてるのはとてもつらい。
まともに書類書いたり手続きしたりすらできないのもつらい。
本当は会社を辞めたいけど、職務復帰する前提で話を振ってくる人事や医師なんかもつらい。
きちんとした人間に生まれ変わりたいなあと思うけど、そこまできちんとしてなくてもつらくない社会になってほしいし、それを作る試みに参加できるものならしてみたいと思う今日この頃。
とりあえず諸々の書類作成とか申請とかの代行してほしい……誰か……