せきららキララ

木ノ子が生い立ちとか色々と自分語りするだけのブログ

物語は、ハッピーエンドがいいよ

またこんなタイトルですが「リズと青い鳥」の話じゃございません。ごめんね。

そういえば「カランコエの花」についてあんまりちゃんと語ってなかったなあと思って、書くことにしました。 (ネタバレしてしまうと映画を観たときの衝撃というか心のざわめきが半減してしまうので書けなかった、とも言いますが…)

 

一応、自分のセクシャリティについての記事の後半でも少し触れてはいるんですけどね。 kinoko-konohanadou.hatenablog.com

 

あと、ネタバレ感想はふせったーに2つほど投稿してます。

その1

https://fusetter.com/tw/OZ6NV

 

その2

https://fusetter.com/tw/DfVRg

 

 

さて。

本格的にブログでつらつら書こうと思ったのは、今日の中川監督のツイートがきっかけです。

 

「この映画の登場人物たちは、無知と善意の空回りでひとりの性的少数者を傷つけてしまった。では何が正解だったのか?」

シスジェンダーヘテロセクシャルの方向けの教材としてはとても優れていると思います。

※とはいえ「LGBT映画」要素を抜きに、青春映画としてもあの瑞々しさ…誤解を恐れずに言うならば生々しさが大変素晴らしいですよ…!

そして、マイノリティ側である私からも、あのころ埋もれるしかなかった自分を、自分で自分をなかったことにしていた自分を見つけてもらえたという救いを得ました。

 

が、しかし。

それは私がある程度成熟していて、親元を離れ自分で生計を立てている身分で、自分でお金を払って観に行ったからそう言えるのでは? 監督や演者の皆様の舞台挨拶を聞いたり映画館で直接お話できたりする東京に住んでおり、スマホでささっと監督のインタビュー記事なんかも読める時代だったから落ち着いていられたのでは? と、考えなくもないのです。

 

もし中学生のとき、クラスであの映画を観る機会があったら?

高校生のとき、学校全体で上映会があったら?

 

「自分が教材にされている感じがする」

「周りの反応は?授業中はまだしも、休み時間になったらキモいとか言い出すかも」

「この映画を学校で観たことを親に知られたら何て言おう。自分自身が当事者であるという体で感想を言うのはとても無理だ」

と思っていたかもしれない、なんてちょっとネガティブな気分になってしまいました。

(まあ私が中高生だったのは、十数年前の地方の公立の学校なのでね…特に中学は受験もないような地域だったので、言葉は悪いですが"ピンキリ"だったし…先生も保守的な男尊女卑傾向にあったし…)


※だから学校ではカランコエの花を上映するな!…という訳ではなく、先生方には「うちのクラスにもいるかもしれない」という前提で細心の注意を払ったうえで、十分な知識をつけた状態でこの作品を取り扱う必要があるよね、というお話です。決して映画冒頭の花ちゃんみたいな雑な授業にならぬよう!




カランコエの花そのものとは離れますが、同じような話題ですと、少し前にこんなツイートも話題になりましたね。

 

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案の定、各方面からご指摘があったようですが…。

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…話を戻します。


まあつまるところ、あの映画の描写は限りなく「現代の生き地獄」に近いんでしょう。

中高生の道徳の授業に使うというよりは、下の世代のために何ができるかを考えなければいけない我々世代が観るべき映画なのかな、と。

女子学生が女子学生に恋をしたときの思いを綴った、吉澤嘉代子さんの「うそつき」という曲の歌詞の一部に「教室は道徳の檻」といった言葉がありますが、そもそもこういった映画が「道徳の授業」で扱われなくてもいいような時代にならないとだめなんですよ。「世の中には甘党の人や辛党の人がいますし、どちらにも属さない人もいます」「左利きの人は少数派ですが、差別してはいけません」なんてわざわざ授業でやらないでしょ。

 

そして、「救いのない映画ではない」と言われつつも、どうしても私は映画のあの子達をもう一度笑顔にしてあげたくて、勝手に各登場人物視点の「その先の話」や「前日譚」なんかを書いてしまっています。

 

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ぷらいべったー

木ノ子(屋号:木ノ花堂)'s posts - Privatter

 

ハッピーエンドを求めるのは、学生の頃の私が実際に救われたかったからかもしれない。

下の世代の"当事者"たちがこの映画を観て万が一心が苦しくなってしまったら、このへんの拙作をそっと差し出してあげられたらなあと思いつつも、「解釈を狭めるな」と関係者に怒られてしまいそうな気がしなくもないな。。。